そういえば

去年は今頃何をしていたか、と過去を振り返っていたら


去年は8月に塾の講師をはじめていたところでした。


塾の経営者や室長は、よくわからない自分のような人間を暖かく迎え入れてくれました。
塾の講師や大学生たちも、一生懸命個別指導をしていて、とても刺激を受けました。


もう1年経ったとは思えないほど、鮮明に記憶に残っています。

実は、一番記憶に残っているのは、自分が担当していた生徒なんです。




その中学生が志望していたのは、俺の出身の高校。
その高校に合格するために塾に入ったのです。
でも、成績は厳しいものでした。
一生懸命指導しても、なかなか成績が上がらず、お互いもどかしい日々。


でも彼は一度も不満を言わず、いわれたことを前向きにきちんとやる生徒でした。
きっと、見えないプレッシャーがたくさんあったことと思います。
俺が一生懸命指導すればするほど、彼は精神的に辛かったんじゃないかと思いました。
だって、親と先生の期待に応えられない自分自身を責めるだろうから。

1月にやっと成績が伸びてきたものの、まだ落ちそうなレベルでしかない。
だから願書を出す際の面談も、俺は「君はこのまま受けるべきだ」とは言えなかったんです。

「志望校を落として受けるのも決して恥ずかしいことではない」
「そのまま挑戦した場合、受かるか落ちるかは5分5分だと思う」
「自分の人生の大事な分岐点だから、自分で決めたらいい」


俺はそんな話しか出来なかった。
現実的で、塾の先生らしいアドバイスしか出来なかった。
俺は本当にだめだと感じました。






でも彼はそのまま初心貫徹し志望校を受験しました。
そして、合格したんです。





彼とは受験前に最後に指導して以来、もう会っていません。
今頃、俺の母校で文武両道に励んでいると思います。

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